王子様の甘い誘惑【完】
「早く出てけ。俺は一刻も早く寝たいんだよ」
「そんなぁ……」
何でそんなに意地悪なのよ。
床で寝るか、蓮の隣で寝るか。
苦渋の選択を迫られて思わず顔を歪める。
蓮と一緒のベッドで寝るということはそれなりの覚悟が必要で。
初対面の女に平気でキスするような蓮と一夜を共にすれば、キス以上のことをされる可能性が高い。
眠っているところを無理矢理襲ってきたり……――。
ううん、いくらなんでもそんなことはしないでしょ。
でも、床で寝るのもしんどいよなぁ。
んー……、ダメだ。
どっちも嫌!!
「何やってんだよ!早く入れ!!」
すると蓮は顔だけをこっちに向けて、声を荒げた。