〔企〕携帯水没物語


う…うぅ…………息がぁぁ…


「うぅ………苦しいっ!」

「苦しいってお前息しろよ。」

「息って…口塞がれて出来るかっ!」

「鼻でしろよ。」

「あぁ~…」

「初めてでも知識くらい入れてれよな。まぁ、そういうお前がいいんだけどな。」



うん?
なんかいい雰囲気……って

別れるんだから
こんな雰囲気いらない!いらない!



「馬路で別れるのか…俺と。」

「わぁ……別れるわよ!彼女より携帯大事人間となんて。」

「携帯が大事なんじゃねぇ―よ。携帯に入ってたメモリーが大事なんだよ…いや、メモリーよりお前だよな。」

「だから何よ。」

「携帯にお前の名前つけたり、メモリーはほとんどお前の写メばかりだし……俺って結構一途な人間なんだな。」

「名前って、私は"まりな"よ!"まるこ"ってみんなが言ってるあだ名じゃない。」

「俺が気に入ってだからいいだろ。」



くぅ~自己チュー人間めっ!

でも、いい争いしてるうちに

今まで知らなかった
アイツの私に対する
思いを知れていた。


そういうのはもっと前に言ってほしい…と思いながらも素直に嬉しかった。



これもあの
携帯事件のおかげかな。



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