〔企〕携帯水没物語



「ねぇ、携帯閉じてよっ!」

「あぁーうるせいなぁっ!」



カチンッ!

堪忍袋の緒が切れたってこういう気持ちなんだね。


私は怒りの我慢が限界に達し、彼の携帯を取り上げて思いっきり水溜まりに投げつけた。


投げつけた瞬間、何故か晴々とした気持ちで心の中がすっきりした。


物を投げるって意外とストレス発散になるのかな?………などと考えていた瞬間に"あの言葉"が耳に入ってきた。



「まるこ!!」



おいっ!
何、携帯に名前つけてんだオマエ!?


はじめて知ってしまった彼の素顔。


携帯に名前はないだろ?


携帯に名前は……――


それにネーミングセンス昭和かっ!?


あれ?

私どっかであの名前聞いたことあるようなぁ~………



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