透明な翼
僕はというと、重い足取りでホテルへと向かっていた。
ゆりはもうとっくに着いてるだろうな。
ったく、バレて処分くらうのは僕だけだからっていい気なもんだよな。
ふと空を見上げた。
濁った都会の空。
街はこの時間になっても眠ることを知らずチカチカと明るい。
そのせいで空はうっすらと明るく、星なんて滅多に見えない。
まるで僕の心のようだと思った。
濁って、淀んで……一見明るいように見えてもそれは表だけで。
本当はどんな闇よりも暗くどろどろしている。
……さくらがいなくなって、僕はとうとう一人っきりになってしまった。
もうこの空が晴れることは……無い。
「んあ……ァ、やッ」
僕の下で女が鳴いている。
身体を汗で湿らせ、瞳にはうっすらと涙を浮かべている。
僕が動くたびに彼女はシーツを強く握った。
「幾、斗ぉ……イっちゃう……」
女は僕の背中に腕をまわして深く口付けしてきた。
僕もそれに応えて舌で彼女の口内を犯した。
そのとき、彼女がキュッと絞まるのを感じた。
「幾斗、幾斗ぉ!」
「ッ……」
そんな甘い圧迫のなか、僕等は同時にぶちまけた。
「……じゃあ、僕はそろそろ出るよ」
そう言って服を着てベッドを降りた。
「ぅん。またよろしくね」
裸の彼女が僕にキスをしてくる。
ホテルを出る際も念のため別々にしていたから、僕は一人で部屋を後にした。
そしてアパートに着くなり、ベッドにダイブして死んだように眠った。
ゆりはもうとっくに着いてるだろうな。
ったく、バレて処分くらうのは僕だけだからっていい気なもんだよな。
ふと空を見上げた。
濁った都会の空。
街はこの時間になっても眠ることを知らずチカチカと明るい。
そのせいで空はうっすらと明るく、星なんて滅多に見えない。
まるで僕の心のようだと思った。
濁って、淀んで……一見明るいように見えてもそれは表だけで。
本当はどんな闇よりも暗くどろどろしている。
……さくらがいなくなって、僕はとうとう一人っきりになってしまった。
もうこの空が晴れることは……無い。
「んあ……ァ、やッ」
僕の下で女が鳴いている。
身体を汗で湿らせ、瞳にはうっすらと涙を浮かべている。
僕が動くたびに彼女はシーツを強く握った。
「幾、斗ぉ……イっちゃう……」
女は僕の背中に腕をまわして深く口付けしてきた。
僕もそれに応えて舌で彼女の口内を犯した。
そのとき、彼女がキュッと絞まるのを感じた。
「幾斗、幾斗ぉ!」
「ッ……」
そんな甘い圧迫のなか、僕等は同時にぶちまけた。
「……じゃあ、僕はそろそろ出るよ」
そう言って服を着てベッドを降りた。
「ぅん。またよろしくね」
裸の彼女が僕にキスをしてくる。
ホテルを出る際も念のため別々にしていたから、僕は一人で部屋を後にした。
そしてアパートに着くなり、ベッドにダイブして死んだように眠った。