キラキラ光る夜に


ライトアップされた街。


その中心にあるツリーの前に来た。


その前で彼と彼女らしき女子が寄り添っていた。


「…颯人」


思わず彼の名を呟いてしまった。


その声が聞こえたのか彼が私達に気付いた。


「克巳じゃん!…って紗枝もいたのかよ。」


颯人はしまったという顔をした。


その反応にまた胸の奥がずくりと痛む。


「颯人ぉ〜この人達だぁれ?」


彼女らしき女子は颯人に甘ったるい声で尋ねた。


すると彼は苦笑いをした。


「ああ、こいつ?友達…だよ」


───バコッ!!


彼がそう答えた瞬間かっちゃんは彼をおもいっきり殴った。

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