キラキラ光る夜に


泣きながらケーキを一口食べた。


「しょっぱい…。」


涙と混ざってケーキはしょっぱかった。


ケーキの味は分からなかった。


わからなかったけど…。


「紗枝…ケーキ美味しいな。」


かっちゃんがそう言うから私は頷いた。


「うん…そうだね。かっちゃん…」


涙でしょっぱくてケーキが美味しかったかどうかなんてわからないけど…。


かっちゃんの優しさはちゃんと私に伝わった。


【完】
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