キラキラ光る夜に


「あ!唯!」


晶人はうちを見つけるなり笑顔で走り寄ってきた。


そんなことですらうちの心は少し喜んでしまう。


「ありがとう」


「どういたしまして」


名残惜しくなる前に書類を渡してさっさと帰ろうと思った時だった。


「お礼にランチ連れてってやるよ」


「えっ?本当に?!」


晶人がそんな珍しいこと言った。


「うん。行こうか」


そう言って差し出された手に自分の手を重ねた。


「うん!」


いつもは仕事が残ってるからとかでランチに連れてってくれない晶人。


なのに今日はランチに誘ってくれた。


それだけで嬉しくて朝の怒りもすっ飛んだ。

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