キラキラ光る夜に


「誓君ごめんなさいね。あら、もうこんな時間だわ。じゃあ、一晩絢音を宜しくね」


「ん…おじさんとのクリスマス一泊デート楽しんで来て」


「お母さん!待って…!」


───バタンッ


ドアが閉まり、お母さんはお父さんとのデートに行ってしまった。


お母さんが出て行って、2人きりになってしまった。

あたしはちか兄を警戒の目で見た。


するとちか兄は仕方なさそうな顔でため息をついた。


「はぁ…。この前は悪かったって。まさかまだサンタクロースを信じてるとは思ってなかったんだよ」


そうじゃなくて。


「でも、あれだな。常識を知れてよかっただろ。まぁドンマイだな」


そうじゃなくて。


「ケーキとプレゼント持ってきてやったんだから機嫌直せよ」


「そうじゃなくて!」

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