キラキラ光る夜に


「初めてだったのに…」


「知ってる」


知ってるって…。


「初めてはロマンチックにしたかったのに…」


「夢見すぎだろ」


ひどい…。


「大好きな彼氏としたかったのに…!」


「じゃあ、俺を彼氏ってことにしとけばいいだろ」


なんでなんでなんで…!


「なんでちか兄はそうなの?!」


怒りで声が震える。


「自分勝手だし横暴だし…いっつもあたしの気持ちなんて考えてくれないし…!」


なんで…。


「…なんであたしこんな男のこと好きなんだろ…」


「…知ってる。だからした」


その言葉にぷつんとキレた。

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