キラキラ光る夜に


───ガラガラガラ…


「ケーキっ!…買ってきまし…ってなんで泣いてんですか?!」


ドアが勢いよく開くなり鼻を真っ赤にさせた君が入ってきた。


息が上がってることから走ってきたのだろう。


「…なんで…?」


"戻ってきたの?"までは言葉が続かなかった。


よくわからないけど、なんでいるのか聞きたいけど、そんなことは今はどうでもよくて…。


慌てている君に抱き着いた。


「なんで…だって…。」


一気に気持ちが溢れてく。


一杯一杯で言葉にできない。


「戸上君のこと好きなのに…戸上君が欲しいのに…。戸上君あたしには冷たいし、戸上君あたしのこと嫌いなんでしょ?って思ってたのに…帰って言ったら帰ったのに…なんで…なんで…」


顔は涙でぐちゃぐちゃだし、言ってることは意味わからないし、今のあたしは滅茶苦茶だから見られたくないのに…。


君の体に回した腕を離すことができない。

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