愛されなくても愛してる

【元気な男の子ですよ】

だれかの声がした。







『フギァ…フギァア―…』



あれ?なんだろ…

言葉が出ない。



『フギァアフギァア―…』







白い服を着た人が

泣いているぼくを

真っ白な布にくるんだ。



それからその人は

ぼくをママの所へ

連れて行ってくれた。







ママはぼくに手を伸ばし

そっとぼくを抱いた。







ママはぼくを見つめて

優しく笑って言った。



「…―かわいい」







初めてのママの抱っこは

ぎこちないけど

気持ちが良かった。







外で待ってたパパも

中に入って来て

ぼくを覗き込んで言った。



「…かわいいな」



パパも優しく笑ってた。







やっと会えた。



ぼくはパパとママに

やっと会えた。







…ぼくは

ママと長くは居られない。





あと どれくらいママと

居られるのかは

ぼくにはわからないけど、

それまでの毎日

ぼくはきっと幸せなんだ。







パパとママに愛されて

ぼくはきっと幸せなんだ。
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