愛されなくても愛してる
ママはぼくを隣の部屋に
連れて行って
ご飯を食べさせてくれた。
「かぁくん、おいしい?」
痛々しい顔でママが笑う。
『だぁ〜、だぁ〜』
[おいしいよ]とぼくは
ママに答える。
部屋の中を見ると
いつもより
少し散らかっていた。
三人で笑ってる写真が入った
割れた写真立て。
昨日 パパが割ったのかな。
「…かぁくん
ママと二人じゃ嫌?」
ママがぼくに話しかけた。
そして 笑った。
「…こんな事聞いても
わかんないよね」
ぼくとママ。
ママとぼく。
…二人。
パパはどうするのかな。
パパはどうなるのかな。
パパとママとぼく。
これから どうなるのかな。