愛されなくても愛してる
ぼくはもうすぐ
四歳になろうとしてた。
叩かれる事にも
少しだけ慣れて来た。
でも
ママに愛されない事には
ちっとも慣れないんだ。
毎日ママと一緒に居るのに
毎日ぼくは寂しかった。
…―そんなある日。
ママに赤ちゃんが出来た。
ママは喜んでた。
新しいパパも喜んでた。
「自分の子は可愛いんだろな」
新しいパパは
ぼくの目の前で言った。
ぼくは
聞こえないフリをした。
赤ちゃんかぁ―…
この赤ちゃんも
空の上から
ママを選んだのかな。
ぼくが選んだみたいに
この赤ちゃんも
ママを選んだのかな。
そう言えば
神様が言ってたあの言葉。
[ママと長くは居られない]
どういうことなんだろう。