愛されなくても愛してる
今日がママを決める期限。
ぼくは朝から
いろんな人を見ていた。
ニコニコ笑ってる人。
お料理上手な人。
仕事を頑張ってる人。
洗濯や掃除をしてる人。
公園で子供と遊んでる人。
そんな中
ある人に目がとまった。
男の人とケンカになって
怒鳴られて、叩かれて
泣いている女の人。
ぼくは なぜか気になって
その二人を見ていた。
男の人は女の人を
怒鳴り続けて
その後、家を出て行った。
女の人は一人ぼっちで
ずっと泣いていた。
ぼくは[ママ選び]も忘れて
ずっとその人を見ていた。
しばらくすると
神様がぼくの所に来て
聞いた。
「…もうすぐ時間だけど
ママは決まったかな?」
ぼくは神様に答えた。
『うん、決めたよ』
ぼくは迷わず
あの泣いている女の人を
指差した。
そして、神様に言った。
『ぼくはあの人が良い』