ケーキ屋のあなた



「あ…はぃ」



なんか、小さい子供に言っている言葉みたいで恥ずかしくなって、だんだん声が小さくなった


でも、どうしてここにあなたが!?




あの店からここまで結構の距離があるのに…

あ!それより彼女、ケガしてないよな?




「…すみません!俺が不注意で角を曲がってしまって、ケガとかしていませんよね?」




「ふふっ大丈夫よ それより、どうしたの?そんなに急いで」



また笑われた!

ショックを受け、顔が赤くなっていくのがわかる



「今から、友達の家に行く途中です」


そう話した時、彼女が持っていた本から紙が一枚下に落ちた




「紙、落ちましたよ」



落ちた紙を取り上げてみると


そこには、ケーキで作られた巨大なクリスマスツリーの絵が細かく書かれていた


俺はその紙を彼女に渡した





「これ、どうです?」



彼女が聞いて来た

俺はどう返事をしたらいいかわからなかった



「これ、私の夢なんですよ」



「夢…ですか…」


へぇ…なんか上品な性格だと思っていたけど、かわいいところもあるんだな





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