ケーキ屋のあなた
その男は誰ですか?
「いや~、でもお前が一目惚れする人ってどんな奴なんだろうか」
伊勢崎は俺をからかい始めた
「奴って言うな!」
「ごめん、そう怒るなって
ケーキ屋の彼女ってどんな感じの人?」
「…やさしい感じかな?」
俺もじっくりと彼女を見てないからな
もう彼女の前に行ったら、てんばっちゃってろくに顔をも見れてない…
好きと自覚したらなおさらそうだ
どんな顔して彼女に会えばいいんだよ
・・・・・なんか朝から考え事ばっかしてね?
よし、考えることは止めよう!
「なぁ東谷、ケーキは2個買うんだけど、生クリームとチョコレートの2種類でいいかな?」
「いいんじゃね?」
たわいのない話をしながら角を曲がった
そこの道は一本道だから
遠くまでよく見える
「ん?」
道の先には男と女が歩いていた
女の人の顔は見覚えがある
・・・・・あれってケーキ屋の人じゃね?
どうしてこんな所に?
店はもうちょっと先にあるのに
・・・気まずい
俺は歩くのを止めてしまった