ケーキ屋のあなた


「こいつがここのケーキ、おいしいって言ってたもんで買いにきました」


「そうなんですか、ありがとうございます」



・・・・・ダメだな俺

ヘタレなのかな?彼女の前にいると身動きが出来ない



それにしても伊勢崎はすごいよな

初めて会ったのに、すらすらと彼女と話しているし




「このチョコレートケーキと、生クリームケーキ下さい」


「はい、少々お待ち下さい」




彼女が店の奥に入った


たぶんケーキの箱を取りに行ったのだろう




「おい、東谷」


「はい?」



「何つっ立ってるんだよ、もっと彼女と話せよ」


「無理だよ!」



「・・・・・さっき言った言葉はウソか?」






さっき言った言葉?


あれか!


―――――あきらめない




そうだ、俺は彼女に当たって砕け…じゃない

アタックするんだ!







「ありがと伊勢崎、忘れてたよ」


「バカだろ」



「バカかもな、頑張るぜ」




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