ケーキ屋のあなた


俺と彼女が話していると、伊勢崎は少し離れてケーキを見ていた

俺に気を使ってくれてるんだろうな



「はい?なんか言ったか?東谷!」


「ロウソクいるか?」


「あ~…、15本下さい」


「15本ですね」




やばい、もう買い物し終わってしまう!

何か話題は!?

ずっと話が続く話題は!!





「3900円になります」


「えっと、はい!どうぞ」


「4000円ですね、おつり、100円です」


「はい」





やばい、終わってしまった…



「あの、もしかしたら明日か、明後日に来ていいですか?」


伊勢崎が固まっている東谷に助け舟をだした



「ここのケーキ屋を友達にも教えたいので」


「はい、いいですよ」


「ありがとうございます
ほら、東谷、帰るぞ」


伊勢崎が俺の肩を掴んだ


「お…おう!」




カランッカランッ

扉を開け、外に出た





店から出て、すぐさま角を曲がり伊勢崎が怒鳴った


「せっかくのチャンスを逃がしてどうするんだよ!」


「しょうがねーじゃん!!体が動かないんだよ!」


「ヘタレ!」


「うっせー!ヘタレで悪かったな!!」




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