ケーキ屋のあなた
俺が有河にさぁ、吐けっ!と言われながら、揺らされている時
前から伊勢崎と原田がやって来た
「うおっ!!珍しいことがあるもんだな!」
珍しいこと
それは俺が早く約束の場所に来ていることだろう
伊勢崎・・・・お前も言うのか
そりゃ、いつも遅刻している俺が20分早めに来たことは
俺だって驚いてるよ
それにしたって驚き過ぎじゃね?
原田を見習えよな
全く反応をしない・・・・
それはそれで悲しいけどな
原田は俺に近づいてきて、手を俺のでこを触った
「…熱はないな」
「原田!お前までもか!?」
うぅ…泣けてくる
原田は表情を顔に出さないから、驚いていないと思ったのは勘違いか・・・・
「伊勢崎ィ~!原田ァ~!東谷が好きな人出来たんだって!!」
有河ー!!そんな大声で言うな!
俺はとっさに有河の口をふさいだ
たとえ、朝で人が少ないとはいえ
大声で言われると恥ずかしい
もがもがと有河が暴れているのを無視し
俺は周りを見渡した
女子高生ぐらいだろうか、さっきのことが聞こえていたのかクスクスと笑っていた
有河は暴れるのを止めた
どうしたのかな?
俺はそう思い、有河の方を見たら、口だけではなく
鼻までもふさいでいた
やべ!
息が出来なくて暴れていたのか
手を離したら、有河はおもいっきり空気を吸い込んだ
おぉ、もう少しで酸欠になりかけていたな…