ケーキ屋のあなた
男は客の俺達が来たとたん、店の奥に入っていった
店の奥まで入れるなんてよっぽど仲が良くないと入れない
とういか、普通に仲が良くっても入れるものじゃない
やっぱり、彼女には彼氏がいたのか・・・・
俺の気も知らずに有河はガラスケースにへばりついた
「うお!すっげ~うまそー!!」
「うまそうじゃない、そうじゃないですよ
おいしいですよ」
「お!言うね~」
「自信がなかったら店なんて出しませんよ」
「そりゃそうだ!!」
すごいな・・・有河は
すぐさま彼女とクラスメイトのように話している
「・・・・・・なあ伊勢崎」
「なんだ?」
「もしかして東谷が好きな人って…」
「あぁ、今、有河が話している相手だよ」
原田はポンと俺の肩に手を置き
小声で頑張れよって言った
頑張りたいよ!
俺だって思ってるよ!
でも、彼氏がいるのに俺が告白しても
彼女が迷惑がかかるだけだ…
あきらめないと決めたけど・・・
名前も知らないのに
ただ、勝手にあなたを好きになっただけだ
俺は彼女が幸せになっていたら
それでいいんだ・・・・・
それで・・・・