ケーキ屋のあなた
俺がそう決心した時
有河がとんでもないことを言い出した
「そういえば、来る時にいた男の人って彼氏さん?」
「違いますよ、あの人は私の兄です」
「そうだったんっすか!?てっきり彼氏さんだと思ってましたよ」
「よく間違われるんですけどね」
え・・・・・
兄?
ってことはあなたのお兄さん?
か・・・彼氏さんじゃなかったのか
俺は安堵し、足の力が抜けていき
パタンとそこに座ってしまった
「どうしましたか!気分でも悪くされましたか?」
俺が急に座りこんでびっくりしたのだろう
彼女がカウンターから出て来た
「大丈夫です、ちょっと…足の力が抜けて」