ケーキ屋のあなた
「今日のおすすめはモンブランとマフィンですよ」
もし、名笹田さんが他の人と付き合ってしまっていたら…
考えるだけでも嫌だ!
「あっ!ティラミスもおすすめですよ」
名笹田さんの声は俺には届いていなかった
俺の頭の中に、行動を起こさなかったら手遅れになってしまうって言う言葉がループしている
そうだよな…
思っているだけじゃ俺の想いは届かない
名笹田さんにとって、たぶん俺は常連客程度しか思われていないだろう…
「…東谷さん?どうかしましたか?」
何も反応しない俺を不安に思い名笹田さんは声をかけて来た
「………名笹田さん」
「はい?何でしょう?」
俺はさっきのキスで心の奥底から何かがわいてくるような感じで
冷静には保てている状態ではなかった
「あの外国人は誰なんですか?」
「あ…アベルさんのこと?あの人は私の…夢に関る人よ//」
なっ!名笹田さんの顔が赤い
もしかして、名笹田さんはアベルって言う人のことが…
しかも、夢に関ることって何だよ!
お嫁さんか!?
そうだったら辻褄があう
「こんな話をしてもしょうがないですよね!ケーキ、どれにしましょうか?」
なんか…名笹田さんが遠くに行っていしまう感じだ
行動を起こさなければ…
行動…告白…
今、告白をしたら名笹田さんが迷惑がるかな?
でも、今しなかったらいつするんだ!!
「名笹田さん」
俺は真剣な顔で名笹田さんを見つめた
「…はい?」