ケーキ屋のあなた



「今日のおすすめはモンブランとマフィンですよ」


もし、名笹田さんが他の人と付き合ってしまっていたら…
考えるだけでも嫌だ!


「あっ!ティラミスもおすすめですよ」


名笹田さんの声は俺には届いていなかった

俺の頭の中に、行動を起こさなかったら手遅れになってしまうって言う言葉がループしている


そうだよな…
思っているだけじゃ俺の想いは届かない


名笹田さんにとって、たぶん俺は常連客程度しか思われていないだろう…



「…東谷さん?どうかしましたか?」


何も反応しない俺を不安に思い名笹田さんは声をかけて来た





「………名笹田さん」


「はい?何でしょう?」


俺はさっきのキスで心の奥底から何かがわいてくるような感じで
冷静には保てている状態ではなかった





「あの外国人は誰なんですか?」


「あ…アベルさんのこと?あの人は私の…夢に関る人よ//」


なっ!名笹田さんの顔が赤い

もしかして、名笹田さんはアベルって言う人のことが…

しかも、夢に関ることって何だよ!
お嫁さんか!?
そうだったら辻褄があう



「こんな話をしてもしょうがないですよね!ケーキ、どれにしましょうか?」


なんか…名笹田さんが遠くに行っていしまう感じだ

行動を起こさなければ…

行動…告白…

今、告白をしたら名笹田さんが迷惑がるかな?
でも、今しなかったらいつするんだ!!




「名笹田さん」

俺は真剣な顔で名笹田さんを見つめた


「…はい?」



< 55 / 64 >

この作品をシェア

pagetop