ケーキ屋のあなた
伊勢崎は大介の頭に一発かまして携帯を取り上げた
「もしもし」
《伊勢崎ィ~…》
「すまん、ちょっと手間取った」
《ごめん、俺が電話したから悪かったんだ…
ちょっと心痛めたからまた…かけなおすよ…》
「おい、大丈夫か?」
一体、大介達に何言われたんだよ…
《じゃあな…》
切れちまった…
本当、大介と奈々美に何言われたんだよ
こりゃ、もう一発大介達にかますしかないな
「大介ェ~、奈々美ィ~ちょっと話しようか」
大介と奈々美は伊勢崎の顔を見て、その場からすぐに逃げたことは言うまでもない
† † †
ピリリリッ
「うるさっ…」
俺は目覚まし時計を止めて時間を見た
3月30日
午前9時32分
名笹田さんに告白してから2日が過ぎた
何で、まだ返事を聞いてないんだよって自分で自分を突っ込む
仕方がないよ、怖いんだよ
返事を聞くのが
自分でもわかる俺はヘタレってのが…
でも、そろそろ行かないと…
だけど体が動かない…
ベットの隣りの机の上に置いていた携帯が鳴った
携帯を開けてみてみると伊勢崎と表示されている
「はい…」
《よお、どうだ?返事は聞いたか?》