ケーキ屋のあなた
「着いてしまった…」
わぁ~…ここに来るとやっぱし胸がドキドキして来る
東谷は入ろうかどうか、店の前でうろうろしていたら
店の中から、男性が出て来た
「よお、常連さんじゃねーか」
「……あっ!お兄さん!」
男性は名笹田さんのお兄さんだ
名前は知らないので、勝手に「お兄さん」と呼んでいる
お兄さんも、そこんところは突っ込まないでいてるので
もう、この呼び名でいいのかな?と思ってる
「常連さん、友美に告ったんだって?」
うおっ…!!
なぜ、お兄さんが知っているんだ!?
それに、俺は元々名笹田さんに会いに来たのに
なぜ、お兄さんに会っているんだ!?
「いい度胸じゃねーか、3ヶ月そこらで会ったばかりで告白ってか」
「あ…のっ、…そのっ…!」
気まずいー!!
どうするこの状況!?
いっその事逃げ出そうか
嫌、逃げだすのはダメだ
また、ヘタレ思考の方向に考えてしまう…
ちゃんと向き合うべきなんだ
「……そうです、俺は名笹田さんに一目惚れし、告白しました
今日はその返事を聞きに来ました」
「…そーか」
お兄さんはズボンのポケットから手紙を取り出し、俺に投げ渡した
「これは?」
「友美から」
はい?名笹田さんから?
「お前にその手紙を渡してって頼まれてたんだよ」