ケーキ屋のあなた
「遠慮しなくてもいいですよ さぁ!行きましょう」
俺は彼女に手を握られ、連れられてしまった
俺は手を握られた時、ちょっぴり嬉しかった
カランッカランッ
と扉を開けて、外へ出た時
俺は我慢しきれず
「あ…あの」
「はい?なんでしょう?」
「これ…」
俺は握られた手をあげた
「あ!ごめんなさい」
彼女はさっと手を離した
言い出したのは俺なのにちょっぴり寂しかった
「第1商店街に出たら道、わかりますか?」
「はい!ご迷惑をかけましてすみません…」
「いいですよ」
数分ほど歩いたら、商店街に出た
俺にとってその数分は何十分ぐらいに思えた
「じゃあ気をつけて」
「ありがとうございました」
俺は彼女に向かってお辞儀をし、走って商店街にいる人ごみの中に紛れた