ミルク
暫くするとお姉ちゃんが外を見ながら言った
「屡那‥今日はお母さん‥来れないって」
お姉ちゃんは暗い顔をした。
「‥今日じゃなくても…お母さんは来ないんでしょ‥?」
「明日は来てくれるわよ‥きっと。大切な‥大切な娘が入院してるんだから…」
「私は‥来ないと思う…それに……お母さんは私を大切な娘だなんて思ってない‥」
私が言うとお姉ちゃんはまた悲しそうな目をした。
「屡那…」
「あの人達は親じゃない‥」
「屡那にとって…大切なお母さんとお父さんよ‥」
「違う‥」
「…っ」
急に体が暖かくなった。
それは優しいお姉ちゃんの体温。
泣いてるのかお姉ちゃんは微かに震えていた‥
なぜだろう‥
私まで泣きそうになる
「屡那…泣いていいのよ?」
「泣かない」
「そっか‥でも泣きたいときには泣きなさい…」
お姉ちゃんは必死に私を抱き締めながら震える声で言った。