ミルク

「わぁー!近くにくると迫力がすごいね!!」

「ん」

緒杜くんは、じっと1人の男の子を見ていた。

私は驚いた。

演奏が上手いから驚いたんじゃなくて…

その男の子が、緒杜くんにそっくりだったから。

「…緒杜くんが2人?」

「あれは俺の兄貴」

「え…お兄さん!?」

「ん」

私が言うと緒杜くんは何もなかったかのように近くにあったベンチに座った。

「緒杜くんにすごく似てるね」

「よく双子に間違えられた」

「ほんと双子みたい。かっこいいお兄さんだね」

「‥屡那も兄貴に惚れた?好きになった?」

「え!?ちっ違うよ!!」

「兄貴はおすすめしないから」

「私お兄さんのことなんとも思ってないよ!」

「…俺のことは?」

「え?」

「俺のこと好き?嫌い?」

「んー…嫌いじゃないよ?」

「じゃあ好き?」

「え、んー、友達としては好き‥かな?会ったばっかりだし…まだよく分からないからけど」

「そっか」

緒杜くんはそれだけ言うとまた軽音部を見始めた。
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