ミルク

記憶がはっきりした私は、ずっと考えてきたことをお姉ちゃんに言うことにした。

お姉ちゃんは…また泣くかもしれないけど‥




「お姉ちゃん‥私、一人暮らしをしようと思ってるの」

「え‥?」

「私、来年から高校生だから…家借りて1人で暮らす。」

「ダメよ‥何かあったらどうするのよ!?」

「大丈夫だよ、お姉ちゃん。それに家からだと高校まで遠いしさ」

「だけど‥」

「困ったことがあったら、お姉ちゃんに言うから‥」

「‥わかったわ。何かあったら絶対に言うのよ」

「うん」



お姉ちゃんは暗くなってきたから帰るねと言って家に帰った。

お姉ちゃんが帰った後、私は窓の外を見ていた。
外には小さい子供、おじいさんやおばあさん、私と変わらないくらいの人、お姉ちゃんくらいの人。

この病院にはもっとたくさんの人が入院している。
退院したくてもできない人たち‥

私は自分が情けなく思えた。

私は自由なのに自分から自由を放棄しようとした。
こんなにも退院したくてもできない人がいるのに私は‥‥‥
本当に自分が情けない…
< 4 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop