ミルク
記憶がはっきりした私は、ずっと考えてきたことをお姉ちゃんに言うことにした。
お姉ちゃんは…また泣くかもしれないけど‥
「お姉ちゃん‥私、一人暮らしをしようと思ってるの」
「え‥?」
「私、来年から高校生だから…家借りて1人で暮らす。」
「ダメよ‥何かあったらどうするのよ!?」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。それに家からだと高校まで遠いしさ」
「だけど‥」
「困ったことがあったら、お姉ちゃんに言うから‥」
「‥わかったわ。何かあったら絶対に言うのよ」
「うん」
お姉ちゃんは暗くなってきたから帰るねと言って家に帰った。
お姉ちゃんが帰った後、私は窓の外を見ていた。
外には小さい子供、おじいさんやおばあさん、私と変わらないくらいの人、お姉ちゃんくらいの人。
この病院にはもっとたくさんの人が入院している。
退院したくてもできない人たち‥
私は自分が情けなく思えた。
私は自由なのに自分から自由を放棄しようとした。
こんなにも退院したくてもできない人がいるのに私は‥‥‥
本当に自分が情けない…