ミルク

「5人で帰っていたときに…何があったんですか?」

「工事現場の前を通っていたの。5人は仲がよくてその時は同じ高校に行こうって話しをしながら帰っていたらしいの」

同じ高校…
仲良しだから5人一緒に同じ高校に行きたかったんだ‥

「みんな気づかなかった‥上から鉄骨が落ちてくるなん思ってなかったから」

「鉄骨‥もしかして…」

「慧だけが気づいたの落ちてくる鉄骨に‥。慧はみんなを突き飛ばした。みんなは慧を見て気づいた…鉄骨が落ちてきたことに」

「慧‥さんは」

「鉄骨の下敷きになったわ…」

弥生さんは泣いた。
静かに…涙を流した。

「今は意識不明で‥慧は病院にいる…」

「李架さんは‥もう‥慧さんのことは…」

「きっとまだ好きよ…でも‥慧がいない心の隙間を埋めたのが緒杜くんだった‥」

「そうだったんですか‥」

「李架は緒杜くんも慧も好きだと思うわ。だけどきっと慧を選ぶ…神崎さん、李架を悪く思わないで‥李架は‥緒杜くんのことも慧のことも本気で愛しているから」

「はい‥」



私は弥生さんに家まで送ってもらった。

緒杜へのプレゼントは別の日に買うことにした。

今は李架さんのことで頭がいっぱい‥
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