図書室の君【短編】



「あ………えっと…
もう少し、います」




やっとのことで
私はそれだけ言うと




震える手足に
力を入れて再度椅子へと腰掛ける。




やばい、
涙が出そうだ。




なんで私はこんなに脆いの。




「……今日は、
カントなんですね」




再び彼は私に声をかける。




「あ……はい」




貴重な彼の問いかけに
私は返事することしかできない。




なんで
もっと気の利いたこと
言えないの私は!!




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