図書室の君【短編】



「…昨日はソクラテスで、
一昨日のあなたはデカルトだった」




静かな声だ。
耳に心地よい。




でも言われた内容に
私は愕然とする。




気付いてた。




気付かれてた。




あなたの読んだ本を
私が手にとっていたこと。




もうだめだ。




気持ち悪がられる。




こんな、
ストーカーまがいのこと。




「ご、ごめんなさい!!!
あの、私……!!」





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