トリプルソーダエッジ
「お前らヒドッ!!泣くよ?俺。いい歳して泣いちゃうよ!?」
武ちゃんが大げさなリアクションをとって、カウンターの方に向かった
武ちゃんは俺たちの通っている高校のOBで、1人でこの店を建てたらしい
「武ちゃんもうイイから!とりあえず私いつも通りオムライス!!」
美由希が待ちきれないといった感じで机を叩く
「はいはい。一哉、お前は?」
「じゃあ俺もいつもの」
「カツカレーな。じゃあ裕也は?」
武ちゃんが笑いながら俺に聞いてきた
俺は“いつも”なんて無いから、スゲー悩む
「やっぱりあれかな…。パスタにしようかな…」
「パスタだな。おし、ちょっと待ってろよ、美由希♪」
もう音をたてずに、机にへばりついている美由希に、武ちゃんが歯が見えるぐらい大きく笑った
「武ちゃん、なるべく早くね……」