Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
入ってきたのは…
まぁ確かに女で、美少女。
いつかみたことのあるような、サラサラのセミロングで、小柄で、目は少しつり目。
そんで結構童顔。
カッコいい系っていうより、可愛い系?
「は、初めまして…」
そう言った、その子の声は、ちょっとアニメ声で…
っていうか!
なにが、「いつかみたことのあるような」だよ!
思いっきり見たことあるって!
転校してきたのは、鈴鳴ちゃんだった。
「可愛い~!」
「マジ可愛くね?」
「俺超タイプ!」
教室はまた、ざわついた。
「えーっと、有愛鈴鳴です…
よよ、よろしく…」
鈴鳴ちゃんは昨日あった時とは別人のように、おとなしい。
緊張してんのかな?
「有愛の席は…瀬名の隣があいてるな。」
「…いっ!?」
鈴鳴ちゃんは露骨に嫌な顔をした。
ってか宙音と鈴鳴ちゃんって、やっぱ離れられない関係なんじゃねぇ?
「はぁ…」
一つため息をついてから、鈴鳴ちゃんは宙音の隣の席に向かう。
あの二人、喧嘩しなかったらいいけどなぁ。
まぁ俺がこんなことを思ってる間にも、宙音と鈴鳴ちゃんは喧嘩してると思うけど。