Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「美歌ちゃ~ん
そんな悲しそうな顔しないでー
美歌ちゃんは美歌ちゃん自身がすごい楽器だからさぁ。」


「は、はい…
ありがとうございます」


美歌、嬉しそうだ。


っつか、美歌!
褒められたからって何赤くなってんだよ!


「ははは~可愛いねぇ美歌ちゃん。
っていうか、皆美男美女集まりだね~」


可愛いとか美女とか…

口説いてんじゃねぇよ!


「おい…社長」


「ん?
どうした、奏楽くん」


小松プロデューサーは笑顔でこっちを見た。


「あのさぁ美歌口説かないでくれません?
美歌、俺のもんだし。」


そう言って、俺は美歌にキスをした。

小松プロデューサーに見せつけるように。


「…ちょ、奏楽っ////」


「へーっ
奏楽くんと美歌ちゃん、付き合ってんだ~
でもこれからデビューするんだから、変な噂流されないようにね。」


その反応…

美歌のこと好きなわけじゃなさそうだな。

でも、まぁそうか。

小松プロデューサー、ロリコンってことになるもんな。


「…そーらーっ!!!」


げっ!

美歌マジ怒ってる。


「すいませんすいません!
マジすいません!」


「すいませんで済むんなら警察いらないもんっ!」


怒ってる美歌も可愛いなぁー


…じゃなくてっ!


「や、でも~
本当はキスされて嬉しかったりしてぇー
…なんて、はははっ」


「…っ////」


え、美歌赤くなってる…

図星!?


「も、も~奏楽も美歌ちゃんも、み…見せつけないでよねぇー」


花音がははっと笑いながらそう言った。


「…花音…」


そんな花音を、なぜか謡は切なそうな顔で見つめていた。




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