Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「…こっちは…本気で…言ってる…
っつーか…花音の気持ちも…考えろ…」
「謡っ!!」
しーん…。
…えっと…何、この空気?
謡くんと花音ちゃん、どうしたの!?
何があったの!?
全然展開が読めない…。
「…あー…
えっと、ごめんね?
なんか…最近謡イライラしてて~
あはは~」
花音ちゃん、なんかごまかしてる?
「…花音…ごめん…でも…このまま…花音が傷つくのを…見たくない。」
謡くん?
明らかに、何か隠してるよね。
花音ちゃんも、謡くんも。
「…花音は…奏楽を「やめて、謡っ!」
謡くんが何かいいかけたけど…
花音ちゃんが止めた。
「…ありがと、謡。
あたしのこと気にしてくれてるんでしょ?」
花音ちゃん?
今にも泣きそうな顔してる…
鈍感な私だけど、分かるよ。
「でも、いいの。
あたしのことは。」
「…良くない…っ!
全然…良くない。」
珍しく強気な謡くん。
っていうか、なんでこんな雰囲気に?
聞きたいことが山ほどあるんだけど。
「…花音が…良くても…俺は…良くない。
俺は…花音の笑顔が…見たいから。」
「謡…うん、本当ありがと。
でも謡は何も言わなくていいよ。
あたしが…自分で言うから。」
そう言って花音ちゃんは、こっちを見た。
こっちっていうか…奏楽の方?
そんで、奏楽の前まで歩いて行く。
「…ってことで、話すね、奏楽。」