Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
そんなこんなで色んな話してたら、
もう別れ道だ。
右に曲がるのは…俺と美歌
左に曲がるのは…謡と花音
このまま真っ直ぐ行くのは…宙音と鈴鳴ちゃん
まぁ俺は本当は左に曲がらないといけないんだけどさ、
美歌送るから。
ってか多分謡も真っ直ぐいかないといけないと思う。
まぁ花音を送るんだろう。
宙音と鈴鳴ちゃんは家が隣だから、運命的に一緒に帰るしかねえな。
「じゃぁここでっ!」
「ぉう!」
「また明日~」
ってな感じで、俺達は別れた。
宙音と鈴鳴ちゃんが心配だけど、まぁなんとかなるだろ。
「奏楽…」
美歌が少し悲しそうな顔して俺の名前を呼んだ。
「ん?」
「私、花音ちゃんに…酷いことしてたんだね。」
あぁ…
まだ気にしてたのか。
俺は気にしてねぇけどな。
だって、花音は、嘘をついてるように見えなかった。
つぅか、あんまり嘘つく奴じゃねぇのに、美歌が傷つくと思って、嘘をついたりしたんだろう。
花音は、そういう奴だ。
昔から変わらない。
「美歌は悪くないって、花音が言ってただろ?」
あれは、きっと嘘じゃない。
花音は本当のことを言ったんだと思う。
「そうだけど…」
「つぅか、美歌が悪いんだったら、俺も気付かなかったんだし、俺も悪い。
黙ってた花音も悪い。
もういいんじゃねぇの?
皆悪い…でさ。」
「…うん、そっか。
そうかもね。」
納得してくれたみたいだ。
良かった良かった。
「そうだ、美歌。」
「ふぇ?
何?」
「再来週の日曜、デートしね?」