Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


そんなこんなで色んな話してたら、
もう別れ道だ。


右に曲がるのは…俺と美歌

左に曲がるのは…謡と花音

このまま真っ直ぐ行くのは…宙音と鈴鳴ちゃん


まぁ俺は本当は左に曲がらないといけないんだけどさ、
美歌送るから。


ってか多分謡も真っ直ぐいかないといけないと思う。
まぁ花音を送るんだろう。


宙音と鈴鳴ちゃんは家が隣だから、運命的に一緒に帰るしかねえな。


「じゃぁここでっ!」


「ぉう!」


「また明日~」


ってな感じで、俺達は別れた。



宙音と鈴鳴ちゃんが心配だけど、まぁなんとかなるだろ。



「奏楽…」


美歌が少し悲しそうな顔して俺の名前を呼んだ。


「ん?」


「私、花音ちゃんに…酷いことしてたんだね。」


あぁ…

まだ気にしてたのか。

俺は気にしてねぇけどな。


だって、花音は、嘘をついてるように見えなかった。

つぅか、あんまり嘘つく奴じゃねぇのに、美歌が傷つくと思って、嘘をついたりしたんだろう。



花音は、そういう奴だ。

昔から変わらない。



「美歌は悪くないって、花音が言ってただろ?」


あれは、きっと嘘じゃない。

花音は本当のことを言ったんだと思う。


「そうだけど…」


「つぅか、美歌が悪いんだったら、俺も気付かなかったんだし、俺も悪い。
黙ってた花音も悪い。
もういいんじゃねぇの?
皆悪い…でさ。」


「…うん、そっか。
そうかもね。」


納得してくれたみたいだ。

良かった良かった。


「そうだ、美歌。」


「ふぇ?
何?」


「再来週の日曜、デートしね?」


< 112 / 129 >

この作品をシェア

pagetop