Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
あ
「嘘よ…
じゃぁ!
どう思ってんのよ!」
「好きだって思ってるよ!」
「…っ!!」
宙音くん…
「鈴鳴が引っ越してからも…
俺は、鈴鳴のこと、嫌いになんてなってねぇ。
鈴鳴以外、好きになってねえ。
ずっとずっと、鈴鳴だけしか好きになってねぇ。」
「…」
鈴鳴ちゃんの目から、綺麗な涙が出た。
「俺バカだからさ、鈴鳴のことしか考えられないようになってんの。
俺の頭ん中にあるのは、数学とか英語とかの知識じゃなくて、
鈴鳴のことばっかなんだよ。
他の奴好きになりたいとも思った。
鈴鳴のこと、忘れたいって思った。
でも無理なんだよ。
頭ん中から、お前が消えねぇんだ。
俺がもし、何百歳、何千歳になっても…
お前のこと好きでいる自信ある。
記憶喪失になっても…
お前のことだけは、忘れない自信ある。
そんくらい、鈴鳴のことが、好きなんだよ。」
「…」
鈴鳴ちゃんの目からは、たくさんの涙が溢れていた。
「黙ってないで、なんか言ってくれよ。」
「…バカ。」
「へ?」
「あんたって本当バカ。」
あれ?
す、鈴鳴ちゃん…?
「えぇ!?
な、なんで!?
なんでそうなんの!?」
「バカだけど、
あたしは、宙音が………」
鈴鳴ちゃん…。
「俺が?」
「…嫌いじゃ、ない。」
…ガックリ。
まぁ、いっか。
きっと、鈴鳴ちゃんの中の“嫌いじゃない”は、“好き”と一緒なんだと思う。
精一杯の告白なんだと思う。
「おめでとーっ!」
「おめでと~二人とも。」
奏楽と私で、おめでとうを言った。