Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「ただいまぁ~」
「お帰りなさい、美歌。
遅かったわね~
何してたの?」
お母さんは心配して居たのか、
玄関の前にたっていた。
「ぁ、うん。
あのね、お母さん。
私…部活に入ったの。」
「美歌が?!
何の部活?!」
お母さんは興味津々の様子で聞いてきた。
私が部活をするなんて、きっと考えて無かったんだろうな。
「バンド部って言う部活だよ~」
「へーっ
いいじゃない!
なんの楽器?」
「楽器じゃないよ、ボーカル!」
そう、ボーカル。
この私が…ボーカル。
す、すごいことだよね、私がボーカルなんて…
「部活の子達は、いい人達?」
「うん!」
私なんかに声かけてくれて、
優しくしてくれて…
今日1日、すっごく楽しかった!
「そう。
良かったわね。
でも!
ちゃんと勉強と両立しなきゃダメよー?」
お母さんは私に勉強の事には厳しくする。
いい大学に入って、いい仕事について欲しいんだって。
だから、私が歌手になりたいなんて言えない。
歌手は、収入の安定してない職業だから。
「分かってる。
ちゃんと勉強も頑張るよ♪」
お母さんにさえいってない、
誰にもいえなかった、将来の夢を…
私はどうしてあの時、
初めて喋った翡翠くんに、
伝えることが出来たんだろう…?
不思議だな…
あ!
そういえば!
全員作曲してくるんだったよね。
とりあえず、詞だけでいっか。
どんな曲にしよう?