Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「花音っ!」


やっと…見つけた…!

花音は、屋上に居た。



「え…奏楽?
なんでここに…」


花音は少し涙目だ。


スタスタスタ…
俺は花音の側まで歩いていった。


「そ、奏楽?
今、授業中だよ?」


「んなの、サボったよ。」


俺が花音に近づくと
花音は下を向いた。


涙目なのを隠したかったのだろう。
バレバレだけどな…


すっ


「ごめん、花音!」


俺は花音の前で土下座した。


あんなに謝ってたまるかって思ってたけど、
花音の前では自然と言葉が出た。


「ちょ、ちょっと止めてよ…
奏楽!」


「わりぃ!
俺、花音がなんで怒ってんのかわかんねぇ…
でも!
花音が訳もなく怒るわけねぇし、
俺が…気づかないまま花音のこと、傷つけたに決まってる…
だから、ごめん!
本当ごめん!」


「奏楽…」


花音は、下向いていた顔をすっとあげた。


「ううん、悪いのは私なの。
1人で怒って、勝手にすねて…
私こそ、ごめんなさい。」


「…なんで、怒ってたんだ?」


「…」


花音は少し黙ってしまった。
聞いちゃいけないことだったかな…?


「ごめんなさい。
勝手な事言ってるけど、
今は…理由、言えないの…」


「分かった。
んじゃこれで仲直りな?」


「うん!
仲直りね!」


良かった…花音と仲直りできて。


俺、花音がいないと何もできねぇし…
花音には本当、いっつも世話になってるもんな。





< 24 / 129 >

この作品をシェア

pagetop