Beats! ～美歌と奏楽の恋物語～

First

放課後ー…

「ぁ、あの…全員作曲してくるって話だったけど…
私…ゃゃやっぱり一日では…その…
詞は書いたんだけど…曲はできなくて…」

昨日、私は頑張って詞を書き終えた。

でも…
書き終わったのが、夜中の3：00だったから、
とりあえず今日は詞だけにしよう…と思って、
寝てしまった。

「作曲？
何のことだ？」

えぇ？！
そ、そんな…
全員作曲してくるって、言ってなかったっけ～！？

「はぁ？
奏楽が言い出したんじゃん！
全員作曲してくるって！」

良かった～
やっぱり言ってたんだ。

「あーっ！
忘れてたー！
俺作曲してきてねぇっ！」

「えーー！！
奏楽が言い出しっぺだよ？！」

…がーん。
翡翠くんの作った曲と詞、
ちょっと楽しみにしてたのに…

「俺はちゃんと作ってきたぜぇっ♪
って、言っても詞は思いつかなかったから、
曲だけなっ」

と、宙音くん。

「俺も…曲…だけ…」

と、譜くん。
…って、もしかして、詞書いてきたのって私だけっ？！

「あたしも曲だけ作ってきたー！」

ゃ、やっぱりぃ～！！

「美歌は？」

翡翠くんは私に問いかけた。

どうしよう…
私も作ってないって言おうかなぁ。
1人だけ、恥ずかしいし。
でも、頑張って書いたしなぁ…。

「美歌…詞書いてきたのか？」

なっ、なんで翡翠くんにバレてるのーッ！？

「書いてきたんだな。
“書いてきました。”って顔に書いてる。」

ゔぅ…
やだなぁー、もう。
顔に出る性格…。