Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
そこには…
天使が居た。
天使のような、女の子が。
本当に、天使かと思ったんだ。
綺麗な歌声をしていて…
歌がうまいとか…そういうレベルじゃない。
その子の歌声を聞いただけで、
あぁ、この子、優しい子なんだな。
そう思った。
ドキン…
「…えっ?!」
その子は、俺がいることに気づいたみたいだ。
「き…
キャァァァァァァァーーーーーーーーっ!」
いきなりその子は叫び出した。
「え、おい、なんで叫ぶんだよ?」
「ご、ごご…ごめんなさいぃ…」
なんか一瞬でキャラ変わったな~。
今すんげぇおどおどしてるし。
「つーかお前っ!
めちゃくちゃ歌うまいなっ!」
「ぇ、ぇぇええッ?!
あたしが…ですか…?」
自覚ねぇのかよ…
こんな歌うめェのに。
「おぅっ!
最初、天使かと思ったくらい。
天使みたいに、優しい歌声してた。」
「…っ////」
そう言っただけなのに、なぜかその子は顔を赤くした。
「ぁ…ありがとう…ございます…////」
あまりにも顔を赤くするから、
なんか、俺もつられて赤くなっちまった…。
「お前、名前なんて言うんだ?
あ、俺は翡翠 奏楽。
奏でる楽しく…で、そら。
よろしくなっ!」
「ゎ…私は、日和 美歌です…
美しい歌と書いて…」
ピッタリだなぁって思った。
「す、すいません…。
すっごく名前負けしてますよね…」