Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「ありがとう…翡翠くん、皆!」

私の目からも涙がこぼれた。

「…おい…奏楽…」

謡くんが翡翠くんに話かけた。

「…ん?
って、ぅゎわっ!
わりぃ、美歌…
思わず…////」

ぱっ

翡翠くんは顔を赤くして
私から離れた。

「ぇ、ゃ、大丈夫…////」

私もつられて赤くなって、
ぷぃっと顔を背けてしまった。

顔を背けた先には…花音ちゃんが見えた。

…花音ちゃん?

花音ちゃんは、なんだか悲しそうな、切なそうな顔をしていた。
もしかして、花音ちゃんって、
翡翠くんのこと…

「げ。
外結構暗いんだけど!!」

また、宙音くんが話を切り出した。

「…そろそろ…帰ろう…」

「そだなっ!
んじゃ美歌、花音!
帰ろうぜっ!」

「ぅ、うんっ」

今日、結局練習しなかったなぁー。
私は歌歌ったけど。

「…ぁ…俺…花音に…話ある…」

と、謡くん。
なんか今日は、何かと謡くんが花音ちゃんにかまってる気がするけど、
気のせいかなぁ…?

「まぢかよーっ
んじゃ、途中まで一緒に帰ろうぜっ!
奏楽、美歌ちゃん!」

「おぅ!」

「うん!」

今日は
翡翠くんと宙音くんと私の三人で帰ることになった。

「ばいばーい…
花音ちゃん、謡くん!」

「…また…明日…」

「うん。
ばいばい、美歌ちゃん…」

やっぱ花音ちゃん、心なしか元気なさげ…


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