Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「…あのさ、前から思ってたんだけど、
なんで『翡翠くん』なわけ?」
「え?」
「だからー!
宙音も謡も、名前で呼んでるくせに、
なんで俺だけ苗字なんだよ?」
あ…
そういえば…
なんでだろぅ?
「ん~?
と、とくに理由は…」
「…じゃぁ、奏楽って呼べよ。」
っえ?!
そんな急に…
「む…」
「無理とか言ったら1000円なっ!」
え~!
って言うか、『奏楽』…って呼ぶの、
なんか緊張する…
「奏楽…くん」
「なんで『くん』つけんだよー!」
「だ、だって…」
無理だよ、やっぱり~!
慣れてないし。
「『奏楽』でいいからっ!」
「そ、そそそそ…そそそ、そそ…」
「そしか言えてねぇじゃん!」
難しい…
たった2文字の言葉なのに…
「そ…ら…」
「よく出来ました☆」
い、言えたぁーー!
でも、でも…
「…っ////」
死ぬほど恥ずかしい…
名前呼んだだけなのに。
やっぱり変だ、私。
翡翠く…じゃない、奏楽が関わってくると、
なんか…
自分をコントロール出来なくなる。