Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「あ、ここ…私の家。」
…もうついちまった。
早かったなぁーなんか。
もうちょっと美歌と一緒に居たかった…
って、何思ってんだ!
変態か、俺っ!
「ここか~!
いーなぁ、一軒家!」
俺ん家はマンションだから、
一軒家ってちょっと憧れ。
「ぁ、ありがとう、送ってくれて…」
「おぅっ!
じゃぁまた明日なっ!」
「うん、ばいばーいっ!」
俺は美歌を家まで送り届けた。
さて…俺ん家まで帰るか!
…ん?
俺ん家まで帰ろうと思って、
U-turnしたら…
コンビニの前に、謡と花音らしき人影があった。
って、えぇぇーー!!??
な、なんか2人、抱き合ってませんっ?!
俺の目が悪くなければ…
2人は抱き合っていた。
なんかちょっと怪しい関係だなぁって思ってたけど…
付き合ってたのか?
あの2人。
確かにお似合いかもな…
無愛想だけど、優しい謡。
お節介でしっかり者の花音。
…まぁ俺には、
そんなラブラブカップルのいちゃついてるシーンを覗く趣味なんてねぇし…
帰るとするか…。
俺はコンビニの前に居る謡と花音に気づかれないように、
そっと裏道から帰った。