Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「えっ!!」
怖くて閉じていた目を開くと、
目の前には奏楽が…
奏楽が私の上にいた…
「そ、そそそ奏楽ぁ?!」
な、なんで…
つか顔近過ぎだし!
「ぃ…ってぇ…」
え?
奏楽の後ろには、本棚と沢山の本…
もしかして、私をかばって…
「ご、ごめん…
ごめんなさいっ!
ごめんね、奏楽…
私のせいで…
今、本棚どけるから…」
そう言って私は、
全身の力を振り絞って、
本棚を立て直した。
「ごめんなさい…
ごめんなさい…」
何度謝ったって足りない。
私のせいで、奏楽が怪我したんだから…
私が、勝手に1人で慌てて…
ドタバタしてたから…
本棚が落ちてきたんだもん。
最低、私。
奏楽を…好きな人を怪我させるなんて。
本当、最っ低!
「み、美歌…
大丈夫か?!
何処も、怪我してねぇよな?!」
突然、口を開いた奏楽。
「大丈夫だよなっ!?
なんともなってねぇよな?!」
なん…で…
なんでそんなに、
私の心配するの…?
「ぅん…
平気。
だけど、奏楽が…」
「俺はいーんだよっ!
美歌を守れたからさ。
美歌が無事で、本当に、良かった…」