Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「どうしたの?
奏楽?」
花音が心配そうに話しかけてきた。
今、俺はそわそわしてたまらない。
何故かというと…
「なぁ、花音。
今日美歌は?」
そう。
一時間目の授業が終わった今でも、
美歌の姿が見当たらない。
それが、今俺がそわそわしている理由だ。
「あ~!
美歌ちゃん、
風邪で休みみたい。」
美歌が、休み…?
大丈夫なのかな、美歌。
家で1人で、
しんどい想いしてるんじゃ…
「心配なの?
美歌ちゃんが。」
「ぇ、いやっ!
そそ、そりゃぁ…
友達が熱出してたら、
心配に決まってんじゃねぇか!」
不自然すぎる、俺…。
セリフかみかみだし。
かっこ悪…
「じゃぁさ、
放課後皆で御見舞行こっか♪」
皆で行ったら、
美歌も喜ぶと思うんだけど…
俺は今すぐ、美歌に逢いたい。
だから…
「いや、
俺1人で今行って来るわ。」
「ぇ、ちょっと奏楽…授業は?!」
「んなの、サボるっ☆」
そう言って俺は、
ダッシュで教室から出て…
教師に見つからないように、
学校からも出た。
タッタッタッタ…
ダッシュでそのまま美歌ん家によろうとしてたけど、
俺はコンビニの前で足を止めた。
御見舞なんだし、
なんか買ってった方がいいよな…
そう思って。