Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
Second
「…ふふっ
ありがとうね。」
「あ、笑ってんじゃねぇよ!
頑張って切ったんだぞっ!」
可愛い、奏楽…
「口開けて。
食べさせてやるよ。」
~ッえっ!?!?
「ぃ、いいよっ
…自分で…食べれる…」
「しんどいんだろ。
せっかく俺がそう言ってやってんだから!」
「でも…」
恥ずかしいよ…
そんな、
カップルみたいなこと。
「いいからっ!
あ~して。」
…私は、
少しずつ口を開けていった。
口の中に、
りんごが入ってくる…
パクっ
…甘いな、このりんご…。
こんな甘いりんご、
初めて食べたかも。
「ど?
美味いっ?」
心配そうに聞く奏楽。
味は変わんねぇからっ!とか言って…
やっぱり気にしてたんだ。
「…おいしいよ。」
「マジで?
良かった!」
嬉しそうな笑顔…
気づいてる?
奏楽…。
奏楽の笑顔で、私…
すっごく元気になっていってるんだよ?
「…なぁ、美歌?」
奏楽の顔は、さっきの無邪気な笑顔から、
少し真剣な顔に変わった。
「…どしたの?」