Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


嬉しい半面…

信じていない自分も居る。


だって、
そうでしょ…?



キスって、

好きな人とするもので…

好きな人にするもので…





じゃぁさ、
奏楽が私にしてきたのは…

どうして?



奏楽が、
私を好きだから…?



そんな訳ない。

あり得ない…



奏楽みたいな人が、
私なんかを好きなはずがない。



だって奏楽は…

クラスのムードメイカー的な存在で、
女の子には、当たり前のようにモテるし、
男の子の、友達だって多いし…



人気者で誰にでも好かれる男の子…
それが、奏楽。



そんな奏楽につり合うのは、
例えば花音ちゃんみたいな女の子。

可愛くて、

優しくて、

明るくて、

なんでもできて…。



そういう人が、
奏楽につり合う人だよ。



なのに…

奏楽が私なんかを、
好きになるはずない。



私は、
奏楽とは正反対で…

内気で、
消極的で、
言いたいことも、
まともに言えなくて…


皆に迷惑ばかりかけてる。


そんな私を…



奏楽みたいに素敵な人が、
どこを好きになってくれるっていうの?



どこも好きにならないよ。




…じゃぁどうして?

どうしてキスしたの?

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