Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
allegretto 〜やや速く〜
…なんだったんだろうか。
花音の奴…。
「はよーっす♪
そ・らッ」
「ォエッ!!」
いきなり後ろから抱きついてきたのは…
宙音。
そんで、
隣には謡が居る。
「いきなり抱きつくなよな~っ
首しまったわっ!!」
「わりィわりィ♪」
宙音は機嫌が良いわけでもないのに、
いつも朝っぱらから元気だ。
「…今日は…1人…登校…?」
謡が俺にボソッと問う。
何度も言うようだが、
謡にとったらボソッとではなく…
これが普通なんだ。
「いっつも1人で登校。
偶然途中で花音と会って、
一緒に行ってるだけっ!」
「…今日は…花音と…会ってない…のか?」
最近、謡はやけに花音を気にしてるよな…
謡は優しい奴だからな。
ここんとこ花音、
元気なさ気だから…
だから、気にしてるのかも。
「さっき会ったんだけど、
用事とか言って、
先に学校行った。」
「奏楽が
またなんか花音怒らせるようなことしたんじゃねぇの?」
宙音が言う。
確かに最もな意見だけど…
「今回はなんも怒らせるようなことしてねぇよ。」
してねぇ…よな?
だって、
花音との会話なんて、
美歌と付き合ったってゆー報告くらいだし…
「あっ!!
そうそう。
聞いてくれよ、二人ともっ!」
この二人にも言いたかったんだよな。
美歌と付き合ったってこと♪
「なんだよ?
いやに機嫌いいなぁ、奏楽。」