Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「俺さ、昨日から美歌と付き合ってんだよっ////」


自分で言っといて照れる俺…。

わけわかんねぇ…


「…ま、マジでぇーーッ!?」


宙音は目まんまるにして叫んだ。

リアクションでっけぇ奴だな。


「…それ…花音に…言った…?」


宙音とは正反対に、
リアクションの薄い、謡。



…つか、なんで花音が出てくるんだよ?


「花音には、
今さっき言ったけど?」


そう言った時にはもう…

謡は走り出していた。


正門を潜り…
校内に入って行って…
たちまち、謡の姿は見えなくなった。


「…謡、急にどうしたんだろうな?」


俺は、
隣で俺と同じように…
ボーッとしているだけの宙音に問いた。


「…急じゃねぇよ。
あいつは、ずっと…」


そう言って…
宙音は少し、微笑んだ。


「お前ってさ、
本っ当鈍感だよなっ♪」


「は?」


何の事を言ってるのか、
全然分からない…


鈍感って、俺が?

どこがっ!?


「取り敢えず、
俺達も教室に向かおうぜっ♪」


「ぉ、おう…」


鈍感って、
何の事を言ってるのか聞きたかったけど…

いつでも聞けるかって思って、

俺は宙音と、教室に向かった。
< 70 / 129 >

この作品をシェア

pagetop