Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「俺さ、昨日から美歌と付き合ってんだよっ////」
自分で言っといて照れる俺…。
わけわかんねぇ…
「…ま、マジでぇーーッ!?」
宙音は目まんまるにして叫んだ。
リアクションでっけぇ奴だな。
「…それ…花音に…言った…?」
宙音とは正反対に、
リアクションの薄い、謡。
…つか、なんで花音が出てくるんだよ?
「花音には、
今さっき言ったけど?」
そう言った時にはもう…
謡は走り出していた。
正門を潜り…
校内に入って行って…
たちまち、謡の姿は見えなくなった。
「…謡、急にどうしたんだろうな?」
俺は、
隣で俺と同じように…
ボーッとしているだけの宙音に問いた。
「…急じゃねぇよ。
あいつは、ずっと…」
そう言って…
宙音は少し、微笑んだ。
「お前ってさ、
本っ当鈍感だよなっ♪」
「は?」
何の事を言ってるのか、
全然分からない…
鈍感って、俺が?
どこがっ!?
「取り敢えず、
俺達も教室に向かおうぜっ♪」
「ぉ、おう…」
鈍感って、
何の事を言ってるのか聞きたかったけど…
いつでも聞けるかって思って、
俺は宙音と、教室に向かった。